講師:厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室 栄養指導係長 清野富久江氏
今回は、主な改定内容について各国と比較しながらわかりやすく御説明いただきました。
第六次改定栄養所要量の大きな特徴は、現在欧米などで策定されている食事摂取基準という考え方を導入している点です。これは従来の集団を対象にした栄養素欠乏症の解消を指標としたものではなく、個人を対象によりよい栄養状態の維持・健康増進を指標としています。一方、過剰摂取による健康障害を予防する観点から、「上限量」を設定しています。
また、策定栄養素の種類を拡大しており、ビタミン及びミネラルについては、国際的により多くの項目の策定がなされている現状や、最新の科学的知見を踏まえ、新たな項目を追加しています。
現在は「飽食の時代」と言われ、栄養の過剰摂取が問題となっています。このような時代の変化とともに必要な基準もまた、変化せざるをえないと感じました。今後、この基準値が専門家だけのものとならずに、どうしたら個々人に対応させていけるかという点が課題だと思われます。
なお、日本人の食事摂取基準(2005年版)の使用期間は2005年4月~2010年3月までの5年間だそうです