- テーマ:どうする日本の食料安全保障
- 講師:農林水産省食料安全保障課長 末松広行さん
- 平成20年7月31日、18:30~20:00
- 於:東京ウイメンズプラザ会議室
- 参加者:25名
まとめ:河上多恵子
食料が余剰の時代から、不足の時代へ入った
農林水産省食料安全保障課は平成20年4に新設されたばかり。その課長・末松広行さんが「わが国の食料問題の現状と課題」を、カラー21ページの資料をもとに話された。
食料自給率39%への低下、食料の大量輸入、国内農地の減少、世界での農業生産条件の悪化、国際的な食料事情の変化がグラフで示される。細切れの報道で知っていたようなことだが、データとして突きつけられ、改めて経過と事態の深刻さに気づく。
1年前から世界の状況が変わり、輸入食料の確保が厳しくなる可能性があること、世界には飽食と飢餓が並存していることが指摘された。
だから今後、途上国においても日本においても、国内生産力の向上が重要であるという。では国内ではどうするかといえば、水田が大事だと強調された。
具体策までいくには少々時間不足だったことが惜しまれる。
質問で、新設された課の使命が問われたとき、1自給率の向上など各セクションでしていたことをまとめる司令塔としての役割を果たす、2需給データの分析視点を確立する、3安全保障マニュアルの見直しをすることが挙げられた。
耕作放棄地の面積、エサ米の生産性、WTO、EPA交渉の見通し等、質問が続き、第2回勉強会は閉幕。その後、熱心に取材する会員もあった。