食品安全委員会の20年、これまでの歩みと今後の展望
【2023年度第5回勉強会】

・演 題:食品安全委員会の20年、これまでの歩みと今後の展望
・日 時:2023年9月28日(木)19時~20時30分
・講 師:山本 茂貴(食品安全委員会委員長)
・進 行:瀬古 博子
・参加者:会場参加20名、オンライン参加53名
・文 責:瀬古 博子
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国のリスク評価機関である食品安全委員会は、今年設立20周年を迎えた。
この機に、山本茂貴委員長にご講演いただき、これまでの食品安全委員会の歩みを振り返り、今後の展望についても語っていただいた。
講演の概要については、資料をご覧いただきたい。

20年間の取組の中では、「プリオン(BSE)」、「食中毒原因微生物等」、「薬剤耐性菌」の評価について、特に詳細に説明いただいた。
「食中毒原因微生物」のうち、「生食用牛肉における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌」については、ユッケの食中毒事件との関連やその当時の対応なども含め、具体的な内容をわかりやすく説明された。
また、「鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」に関しては、生産から消費までの各対策の組み合わせによるリスク低減効果の比較を示しながら、「鶏の生食がいまだやめられていない」ことに言及。研究事業を行い、リスクプロファイル作成を進めながら、管理措置を提言できるようにしたい、とのことだった。

今後の展望に関しては、DXやAIの活用、人材育成と国際協力、新たな評価手法の取組、リスクコミュニケーションの活用などがあげられた。
今後、海外の評価機関との連携をさらに進め、リスク評価の効率化が図られることを期待したい。

また、質疑応答では、BSEの全頭検査、リスク評価機関とリスク管理機関の関係、トリチウム水に関する風評被害への対応、有機農産物の安全性など、多岐にわたる内容の質問が出され、ひとつひとつ、率直で、かつ「なるほど」と思える回答をいただいた。学びの多い勉強会であった。

<食品安全委員会の20年、これまでの歩みと今後の展望」講演資料(PDF)>

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