私たちはインターネットという道具を使って食品販売を始めました。インターネットというのは、「瞬時に」「不特定多数に」「安価で」「大量の」情報を「世界中に」流すことができる、まったく新しい道具です。21世紀の食品流通はインターネットという道具なしでは考えられなくなるでしょう。
この特徴を最大限に生かさなければ、インターネットビジネスは成功しないといえるでしょう。単に、「パソコンを使って商品管理をしさえすればITだ」というわけではありません。
まず、ネットの特質として「ドキュメンタリー性」があります。例えば、昨年に台風で長野のリンゴが多数傷んだという情報が入りました。私たちはその日のうちに、「少し傷はついているけれども、おいしいリンゴが格安の値段で買えます」という情報をお客さんに流しました。これはネット販売でなければ考えられないビジネスです。
ネットビジネスのもう一つの特徴として「ワン to ワン」があります。お客さん一人一人のプライベートな情報を、販売する側が直接に把握しているということです。「Aさんの家では、お父さんは肥満傾向にあり、お母さんは貧血気味、息子は甲子園を目指して野球に夢中」などという情報をもとに、その家庭に適した食材やメニューを提供することも可能です。
私たちは、消費者の中には商品そのものにお金を払うのではなく商品に付随している情報にお金を払う人たちがいるのではないかと考えています。そういう人たちには、とことん情報を開示し、また、その人たちの情報もできるだけたくさん入手し、お客さんにぴったりと合った商品をお届けするつもりです。そのための道具として、インターネットを使いこなしたいと思っています。
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