若い世代の食生活の実態は?
展望を開くのがメディアの役割

(株)ライブリッジ くらしHOW研究所所長 河上多恵子氏

 私達が最近行った、インターネットによる若い世代への調査結果をふまえながら、本日のテーマについて話をしたいと思います。この調査でわかったことをいくつか挙げてみましょう。

・食事の回数が変わりつつある(1日3食がくずれ始めている)
・お菓子(スナック)を食事代わりにする
・決まった時間に食事をするよりも、小腹を満たす傾向がある
・栄養バランスがたいせつとは思っているが、油脂のとりすぎが問題になっていることは知らないなど、基本的な知識に偏りがある
・手間を惜しみ、手軽さ、簡便さを求めることからコンビニ、ファーストフードへの依存度が高く、サプリメント摂取も多い
・食事の質よりも見た目を気にする傾向が多く、食事の盛りつけにはこだわる、だれと一緒に食べるか、居心地よく食べられるかが関心事

 このような結果の背景には、調査世代の生まれ育った時代が考えられます。つまり、マクドナルド世代のジュニアが成人し、中には母親になった人もいるということです。

  次に指向性をみてみましょう。大多数の人が、不安な現代での拠りどころは家族であると考えています。家族の絆を確認するイベントが好きで、ファミリーイベントの場として食事が重要であると考えてはいるのですが、その重要な食事を“できあい”で満たす傾向は変わりません。また、美容、ダイエットに関連する食の比重がさらに高まっています。

  この結果は、若い世代の食の貧困を示したものとも言えるのですが、将来への展望はあるのでしょうか。それにはメディアのリアルタイムで正しい情報提供が不可欠だと考えます。

2003/02/19 第12回JFJ公開シンポジウムより