いくつかの新しい試みが‥〜シンポジウムを終えて

代表幹事 島崎 幸子

 食生活ジャーナリストの会恒例の公開シンポジウムは、テーマを「日本の『米』、どうする?〜私たちは『米』の問題をどう捉えていったらよいのだろうかーとして、去る3月3日文京シビックセンター小ホールで行われました。当日は113名の参加者とともに日本の米の現状と食生活のあり方などについて討論を深めました。

 今回のシンポジウムを企画するに当たり、幹事会ではいくつかの新しい試みに挑戦してみましたので、改めてその取り組みについてご報告しておきたいと思います。

 まず1点目は会員アンケートの実施です。私たち食生活ジャーナリストが、普段米とどう関わっているのかそのアンケートの結果を背景にシンポジウムを構成したということです。72名の会員から回答が寄せられ、約半数の会員の実態が把握できたことが、問題提起のスタートラインとなりました。

 2点目はこのシンポジウムの運営に協賛会社を募ったことです。それは会員の会費と当日の参加費だけで大きなイベントを実施するには予算が厳しいという事情はありましたが、それよりもこのシンポジウムをより多くの人に開放して、様々な形で協力をいただきながら、食生活ジャーナリストの会の活動をもっと理解してもらうということにありました。

 会員が様々な媒体を通じて仕事を進めるとき、多くのメーカーや企業・団体から発信される情報をきちんと捕らえ、私たちなりに消化して読者や消費者に伝えることの大切さを現場に近い企業の方々と交流することで現実的に経験し、理解していきたいと考えたからです。協賛会社が付いたことによりシンポジウムの主旨が損なわれることのないように、議論を重ねたことは当然のことでしたが、その結果はいかがでしたでしょうか。参加した皆さんの判断にゆだねたいと思います。

 3点目としては、会員の作品コーナーをシンポジウムの会場に設けたことです。初めて会員の作品がまとめて多くの人に触れることができました。しかし、展示の仕方や出品点数をもっと多くするなど改善の余地はまだあるように思いました。

 今回のシンポジウムに対して参加した知人から「パネリストの発言が本論から外れないで進行し聞きやすかったが、時間がなく会場の意見を充分に聞けなかったのが残念だった」と電話で感想が寄せられました。また「有意義な時間を過ごすことができました。食はもちろん環境や財政難など、子供たちの時代はどうなっていくのだろうと不安なこの頃ですが、自分にできることを少しずつやっていくしかないのかなという思いを新たにしました」(フリーライター・中野留美さん)という葉書もいただきました。“食生活ジャーナリストが生産現場を知る1年“とした平成16年度でしたが、今回のシンポジウムもその流れに沿って実施したものです。これからの食生活、また会員の活動に、少しでもお役に立つことができればと願っています。

2005/03/03 第14回JFJ公開シンポジウムより